eBay Messages
プロジェクトの概要
入社当時、eBay Messagesには専任のデザイナーがいませんでした。その後5年間にわたり唯一のデザイナーとして、Web、iOS、Androidを横断し、すべてのeBayの買い手・売り手に向けたメッセージ体験の刷新を主導。従来のメール形式からリアルタイムな会話体験への移行を実現しました。 リーダーシップ層とともに方向性を策定し、リサーチ結果を共通のビジョンへと昇華させ、エンドツーエンドのエクスペリエンスをデザインしました。自身も出品者として質問の見落としによる損失を実感していたため、すべての会話、商品、オファーを1か所に集約することを最優先事項として設計に落とし込みました。
業界・領域
マーケットプレイス
メッセージ機能
提供サービス
単独でデザインを担当
Web、iOS、Android
リサーチ主導
年
2021–2026


課題
従来は返信が個別のメッセージとして届くため、買い手も売り手もやりとりの文脈を自らつなぎ合わせる必要がありました。商品の詳細も確認しづらく、eBay からの通知がユーザー同士の会話を埋もれさせていました。 一方で、長年利用しているセラーは、既存の受信トレイを前提にビジネスを構築していました。フォルダーやフラグ、一括操作などは、日々の業務に不可欠なツールだったのです。 そのため、単にスレッド形式を導入するだけでは不十分でした。ユーザーが依存しているワークフローを維持しながら、いかに会話を追いやすくするかが大きな挑戦でした。


デザインへのアプローチ
2021年、リーダーシップ層への提案を経て8日間のデザインスプリントを主導し、共通のビジョンを確立しました。リサーチチームと連携し、7つの調査結果から「文脈が途切れない会話」「アイテム情報の可視化」「メンバー間のメッセージとeBayからの通知の明確な分離」という具体的な優先事項を導き出しました。 セラーからの反対に直面した際は段階的な移行を提案し、主要なワークフローをサポートしつつ、従来のメッセージ機能へのアクセスも維持しました。 中核となる体験に加え、送信失敗時の挙動から通報機能に至るまで、見落とされがちな細かな仕様もWeb、iOS、Android横断で設計しました。

成果
2024年までに、Web、iOS、Androidの全ユーザーが新体験へと移行し、従来のメッセージ機能は廃止されました。デフォルト移行時のオプトアウト率はわずか3%にとどまり、主要なメッセージング指標も安定を維持しています。また、会話内での「Buy It Now」機能は2024年に推定8,800万ドルの増分GMVに貢献し、刷新されたUIはオファー機能やAIによる返答サジェスト機能の基盤となりました。本プロジェクトはPM、リサーチリード、エンジニアリングチームとの共同推進であり、唯一のデザイナーとして最初のスケッチから最終移行までを一貫してリードしました。